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DailyArt

日々の想いをいろいろな形で表現していきます

全ての現実が幻のよう

          

 

画家 山梨備広の「洗面台」です。

彼の絵には まるで

透き通った水をはったような 瑞々しい透明感 があります。

実は私の夫で、よく他の写実の方の絵を生で見る機会があるのですが

なぜか彼の絵には不思議なほどの透明感があるのです。

私も絵を描く人間なので、せっかく夫なので、その透明感の秘密を知ろうとおもって 

いました。 

人に描いている途中の絵を見られるのが誰より嫌な人なんですが、妻の私にだけは特別に見せてくれます。

この特権をフルに使っていざ秘密を解き明かさん!!と思っていました・・・が、一向に特別なことをしない・・・

私は単純に彼が隠し技を持っている、もしくは極秘のアイテムをつかっていると思っていました。それを使えば魔法のように透明感が!!みたいに(笑)

でも彼は気の遠くなる作業の繰り返し。

皆さんにお見せできないのが本当にもったいないのですが、かなり初歩の下書きの段階

で、もう作品として見せられる緻密さなんです。

私はあの下書きの段階が好みなんですが、彼はこれから延々と手を加えていきます。

そしてもがき苦しみつづけるのです。

砂漠の中から特別な一粒の砂を見つけるような途方もない探究。

絵を描くということは、完璧な調和を無限の選択肢の中から選び抜く作業なんだなと気づきました。

全ての調和が整ってくると、ガラリと透明感がでてくるのです。

 

 

 

 

一瞬を閉じ込めるのは人類の永遠の願いではないでしょうか。

この今の現実だって時がたてば幻のように儚く消えてしまう。過去のできごとだって

夢のような空想のような二度と立つことのできない記憶の中の空間で、それを共有するのはごく限られた人達。。。

彼は言います。絵を描くことは 神の創造の追体験 と。

彼が写実にこだわるのは このかけがえのない現実が確かに存在していて、自分に見えていた現実は写真や外の表現手段では到底表現しきれない思いをひとふでひとふでに込めたいからなんだと思います。